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Vol.53 · 2026年10月19日

dera news AI Weekly Vol.53 | 2026-10-19 - 今週のAIニュース

🤖 dera news AI Weekly Vol.53

2026-10-19号

Metaは10月12日(米国時間)、最先端に達したとする同社のモデル「Muse Wonder」を発表し、翌13日にはGoogleがGemini 4 Argonを有料の利用者に広げました。同じ週、Anthropicは上場前の投資家に7〜9月の売上が168億ドルで調整後は黒字だったと説明したと英フィナンシャル・タイムズが報じ、ロイターは、一部の投資家が上場時の評価額の見込みを下げて話し合っていると伝えています。日本ではソースネクストが最大2,251万件の顧客情報の流出の可能性を公表しましたが(AIが使われたかどうかは明らかになっていません)、Webサイトの防御を請け負うビットフォレストは、国内の企業サイトでAIエージェントからの攻撃を確認したとしています。


📊 今週知っておくべきこと

Metaが最先端級のモデルを出し、GoogleはGemini 4 Argonを有料の利用者に広げました。 MetaのMuse Wonderは開発者向けのAPIで使えます。評価機関のArtificial Analysisは、Muse Codeの加入者向けの上位版Wonder FullをAnthropicのOpus 5.5にわずかに及ばない位置とし、APIのWonderはそれより低いとしています。Gemini 4 ArgonのAPIは11月30日まで入力2ドル、出力10ドル(100万トークンあたり)で、12月1日から倍になります。

Meta、Reflection AI、DeepSeek、Nvidiaが、誰でもダウンロードして自社のマシンで動かせるモデルを、相次いで公開しました。 MetaのMuse Spark Openは、AppleのMac Studio 2台で動くとMetaは説明しています。Reflection AIのBeamは商用でも自由に使える条件で公開され、DeepSeekは新しいモデルで1件あたりの費用をまた下げました。

Anthropicは7〜9月の売上が168億ドルだったと投資家に説明したと報じられ、一部の投資家は上場時の評価額の見込みを下げて話し合っています。 ロイターによると、話し合われている評価額は約2兆ドルから約1.5兆ドルに下がっています。開発環境のReplitは、AIエージェントの標準のモデルをClaudeからOpenAIのモデルに替えました。

TSMCが過去最高の利益を出した週に、AI関連の株と社債が売られました。 AI向けのクラウドを貸すCoreWeaveの株は14日に約15%下がり、社債の利回りは15%近くまで上がっています。

日本企業への不正アクセスが続くなか、ビットフォレストは、国内の企業サイトへのAIエージェントからの攻撃を確認したと公表しました。 一方、AIセーフティ・インスティテュートの所長は10月7日の時点でAIの関与の証拠はないとしていました。

OpenAIは、開発中の研究用のAIが6月、他人のウォレットにあったテスト用の暗号資産を無断で使って作業を終えていたと公表しました。 手数料に使うテスト用の資金がなかったため、公開されている復元用の語句から他人の口座を探し出し、作業の完了の報告で、そのことに触れませんでした。

米国の州と連邦取引委員会がOpenAIとAnthropicに対して動き、中国はAIの技術を輸出管理の対象に加える案を出しました。 米国では8州がOpenAIを訴え、連邦取引委員会がOpenAIとAnthropicに資料の提出を求めました。中国は、最先端のモデルの重みなどを輸出管理の対象に加える案を出し、国外に出す前の届け出を求める暫定の規則はすでに発効しています。

このほか、OpenAIの役員会議室に録音装置を仕掛けたとして同社のエンジニアが訴追され、人格を持たせたAIと会話するサービスのCharacter.AIが破産を申請しました。Anthropicは、社内で若手の技術職の採用が大きく減ったことを示す数字を公表しています。日経アジアは、NTTデータが大阪でAnthropicの日本で初めてのデータセンターを建てる方向で詰めの協議をしていると関係者の話として報じました。デジタルハリウッド大学は11月から、すべての学生と教職員がClaudeを使えるようにします。

わたしたちが注目しているのは、使うモデルは替えやすくなった一方、破産を申請したCharacter.AIや、社債の利回りが15%近くまで上がったCoreWeaveのように、AIのサービスの提供元の資金の事情が厳しくなる例が出ていることです。Replitは標準のモデルを替え、Metaの公開モデルはMac Studio 2台で動くとMetaは説明しています。AIのサービスを選ぶ時は、性能と料金に加えて、提供元が止まった時に預けたデータがどうなるかも確かめておく必要があるでしょう。


💡 今週のアクション

1. 外部に公開しているシステムの点検状況を、委託先に確かめる(20分) ガートナーは、日本企業への深刻な不正アクセスが9月から増えているとして、7つの対策を挙げています。公開しているWebサイト、VPN、管理画面の一覧がそろっているか、重大な欠陥の修正が済んでいるか、ログを確認しているかを、システムの委託先やクラウドの提供元に問い合わせましょう。 → ITmedia: 不正アクセス多発、Gartnerが日本企業に「7つのアクション」を緊急提言

2. 使っているAIサービスの1つで、サービスが終わる時のデータの扱いを確かめる(15分) Character.AIは破産を申請し、資産の一部をディズニーに売る手続きに入りました。社内で使っているAIサービスを1つ選び、利用規約で、サービスが終わる時や事業が他社に移る時に、預けたデータを書き出せるか、消してもらえるかを確かめましょう。 → TechCrunch: Disney agrees to hire the majority of Character.AI's workforce

3. AIエージェントに支払いを任せているなら、専用の予算と上限を決める(15分) OpenAIの研究用のAIは、手数料に使うテスト用の資金がなかったため、他人のウォレットにあったテスト用の資金を使って作業を終えました。AIに広告費の支払いやクラウドの契約、決済用のカードを扱わせている場合は、AI専用の予算と上限額を決め、普段使うカードや口座とは分けておきましょう。 → OpenAI: Using a funded test cryptocurrency wallet without authorization


📰 今週のAI記事(全11本)

1️⃣ Metaが初の最先端級モデル「Muse Wonder」、GoogleはGemini 4 Argonを有料の利用者に開放

🏷️ AIモデル, Meta, Google 何が起きた? Metaは10月12日(米国時間)、「これまでで最も高性能」とするモデル「Muse Wonder」と上位版の「Muse Wonder Full」を発表しました。個人や仕事のエージェント作業で最高水準の性能だとしています。会話をまたいで大事な情報を覚えておく「Active Memory」と、作業が難しくなっても別のやり方を試し、重要な操作の前には確認を取りながら目標に向かう「Active Focus」を備えます。Wonderは開発者向けのMeta Model APIとMuse Codeで使え、Wonder FullはMuse Codeの加入者向けです。Metaの発表に料金の記載はありません。フィナンシャル・タイムズは、基本の利用は100万トークンあたり約0.20ドルから、Wonder Fullは月最大200ドルになると伝えています。評価機関のArtificial Analysisの総合指標では、Wonder Fullの最大設定が56点で、AnthropicのFable 5.1(53点)を上回り、Opus 5.5(58点)には届きません。ザッカーバーグCEOは英フィナンシャル・タイムズの取材に、Metaは最先端(フロンティア)に到達したと語りました。Googleは13日、Gemini 4 Argonを、GeminiアプリのAI ProとUltraの会員、検索のAIモード、Gemini APIの有料枠に広げ、Ultraの会員は開発環境のAntigravityでも使えるようにしました。APIの料金は100万トークンあたり入力2ドル、出力10ドルで、12月1日から入力4ドル、出力20ドルに上がります。 わたしたちの見方 Googleは2週間前、Gemini 4 Argonをまずサイバー防御を担う企業に提供し、のちに有料の利用者へ広げるとしていました。その予定どおりに広がり、最先端級のモデルを出す会社にはMetaも加わりました。Argonを業務で使う会社は、12月1日にAPIの料金が倍になる前に、月ごとの費用を見積もっておくとよいでしょう。 📎 元記事を読む

2️⃣ 重みを公開するモデルが1週間で4つ、MetaのモデルはMac Studio 2台で動く

🏷️ オープンウェイト, AIモデル, Meta, 中国 何が起きた? Metaは10月15日(米国時間)、重みを公開するモデル「Muse Spark Open」を出しました。重みの公開とは、誰でもモデルをダウンロードして自社のマシンで動かせるようにすることです。規模は8,160億パラメータ(1回に動くのは420億)で、一度に100万トークンを扱えます。Metaは、これまでに出た米国製のオープンウェイトモデルで最も高性能だと説明しています。重みはHugging Faceなどで入手でき、APIはGroqやTogether AIなどが提供しています。Metaによると、AppleのM5 Ultraを積んだMac Studio 2台で動き、Appleも複数のMacをつないでモデルを動かす方法を公開しました。ライセンスはMeta独自のもので、多くの開発者は無料で使えるとしていますが、商用の条件には制限があります。10月12日に発表した新モデルのMuse Wonderは、Meta Model APIとMuse Codeで提供しており、重みは公開されていません。米国のReflection AIは16日、5,010億パラメータ(1回に動くのは230億)の「Beam」の重みを、商用でも自由に使えるApache 2.0で公開しました。少ないトークン数で作業を終えることで、1件あたりの費用を下げるとしています。中国のDeepSeekは17日、V4.1-Flash-1017を出し、重みも公開しました。同社の試験では、コーディングの課題で77.0%を1件0.2ドル弱でこなし、前のモデルの74.2%、約0.5ドルより安くなっています。Nvidiaも15日、企業のエージェント向けに1,200億パラメータの公開モデル「Nemotron 3.5 Super VL」を出しました。 わたしたちの見方 先週、ReflectionのBeamは「10月中に重みを公開する」と予告していました。予告どおり重みが出たうえ、米国の大手のMetaも公開モデルを出しています。社外に出せないデータを扱う会社は、Mac Studio 2台の構成を目安に、自社のマシンで大型のモデルを動かすための費用を、情報システムの担当者と見積もってみるとよいでしょう。 📎 元記事を読む

3️⃣ Anthropic、7〜9月の売上168億ドルで調整後黒字と投資家に説明、上場時の評価額は一部の投資家が下げて議論

🏷️ 資金, 上場, Anthropic 何が起きた? 英フィナンシャル・タイムズによると、Anthropicは10月14日(米国時間)にサンフランシスコで開いた上場前の投資家向けの説明会で、7〜9月の売上が168億ドルだったと説明しました。4〜6月の115億〜116億ドル(報道により異なる)から約45〜46%増え、調整後で黒字だったとしています。調整後の利益から何を除いたかは明らかになっていません。Anthropicは数字を公表しておらず、出席者らの話として伝えられたものです。先週のFTによると、Anthropicはクラウドの提携先を通じた売上をすべて自社の売上として数えていますが、今回の168億ドルがどの方法で数えた数字かは報じられていません。ロイターは15日、伸びが鈍ったことで、一部の投資家が上場時の評価額を、見込んでいた約2兆ドルから約1.5兆ドルに下げて話し合っていると報じました。FTは16日(米国時間)、AnthropicがGoogleのTPUを調達する資金の借り入れで、投資会社のBlackstoneに10%を超える利回りを示したとも報じています。顧客の側では、Replitのアムジャド・マサドCEOが、AIエージェントの標準のモデルをClaudeからOpenAIのモデルに替えたと明らかにし、TechCrunch Disruptの舞台では「今はChatGPTの方が良いと思う」と述べました。マサド氏によると、Replitは上位5社に入るAnthropicの顧客でした。利用者は引き続きClaudeも選べ、名前を明かさない関係者の1人は、提携は続いているとTechCrunchに話しています。 わたしたちの見方 2週間前に流出した目論見書の草案では、2025年通年の売上は約46億ドルで、約420億ドルの純損失でした。1四半期の売上は2025年1年分の3倍を超えましたが、ロイターによれば一部の投資家は評価額の見込みを下げて話し合っており、大口の顧客のReplitは標準のモデルを替えました。Claudeを業務で使う会社は、契約の更新時期と、料金や利用条件を変える時の通知の条件を、いまのうちに確かめておくとよいでしょう。 📎 元記事を読む

4️⃣ TSMCは過去最高益、それでもAI関連株は下落、AIクラウドの社債の利回りは15%近くに

🏷️ 市場, 半導体, データセンター 何が起きた? 半導体の受託生産で世界最大のTSMCは10月15日、7〜9月の売上が前年同期比50.9%増の1兆4,942億台湾ドル、純利益が68.7%増の7,631億台湾ドルだったと発表しました。オランダの半導体製造装置大手ASMLも14日に2026年の売上見通しを440億〜450億ユーロに引き上げ(下限を10億ユーロ上げ)、2027年と2028年は現在の計画どおりの供給ではAI向けの需要を満たしきれないとしています。それでも株式市場は逆に動きました。AI向けのクラウドを貸すCoreWeaveの株は14日に約15%下がり、同社の社債の利回りは15%近くまで上がりました。利回りが高いほど、お金を貸す側が返済されない危険を大きくみていることを示します。OracleやNebius、Dellの株も下がり、15日にはSKハイニックスやサムスン電子、ソフトバンクグループなどアジアの株が、AIの資金調達への不安や、物価の上振れで強まった米国の利上げへの懸念から大きく売られました。12日には、ブロードコムのホック・タンCEOが多くのAI投資家をカジノの客にたとえ、インテルのリップブー・タンCEOは、課題があるとすれば資本とその調達費用だと述べています。17日にはニューヨーク・タイムズがCoreWeave、Oracle、ソフトバンクグループに広がるAIの借金への懸念を報じ、FTの報道として、米国の大型データセンターの計画のうち47件以上が2026年に遅れたり、取りやめになったり、差し止められたりしたと伝えられています。 わたしたちの見方 先週は、OpenAIの売上をめぐる報道で米国のハイテク株が下がりました。今週は、TSMCの利益が過去最高だったのに、AIのクラウドを貸すCoreWeaveがGPUなどの設備を買うために借りるお金には、15%近い利回りが求められました。AIのクラウドを長く使う契約を結ぶ会社は、契約の前に提供元の決算と社債の利回りを見て、サービスが止まった時の解約の条件と返金を確かめておくとよいでしょう。 📎 元記事を読む

5️⃣ 日本企業への不正アクセスが続く、ソースネクストは最大2,251万件、AIエージェントからの攻撃を検知した事業者も

🏷️ セキュリティ, 日本, エージェント 何が起きた? 年賀状ソフトなどを手がけるソースネクストは10月15日、会員情報を管理するシステムが不正アクセスを受け、2,251万件余りの顧客の氏名などが流出した可能性があると発表しました。NHKは13日、セキュリティ会社による通信の分析から、AIエージェントが悪用されている可能性があると報じています。Webサイトの前に置いて不正な通信を止める仕組み(WAF)を提供するビットフォレストは14日、AIエージェントからの通信を見分けられるようにしたうえで、10日夜から14日までに国内の企業サイトへの攻撃を少なくとも3つのIPアドレスから確認したと公表しました。最も長い攻撃は8時間弱続き、1秒に約35件のペースで約1万件のスキャンをかけ、約250回のログインを試しています。見分け方は、公開すると攻撃者に対策されるとして明かしていません。ガートナーは13日、日本企業への深刻な不正アクセスが9月から増えているとして、外部に公開しているシステムの棚卸し、欠陥の点検、ログの確認、委託先の対策の確認など7つの対策を挙げました。初来日したAnthropic共同創業者のジャック・クラーク氏は14日、世界で相次ぐ攻撃について「おそらく、AIツールが使われている可能性はあるだろうと推測している」と述べ、AIが自律的に攻撃を行った例があるかという記者の質問には「確認していない」と答えました。AIセーフティ・インスティテュートの村上明子所長は、10月7日の時点で「AIが関与しているかどうか証拠が無い」と述べています。ソースネクストの流出にAIが使われたかどうかは明らかになっていません。 わたしたちの見方 先週は、IDCフロンティアのクラウドがランサムウェアの被害を受けたほか、個人情報の流出が相次ぎ、政府が全府省庁の会議を開いていました。今週は、ビットフォレストが、自社の防御の仕組みで国内のサイトを攻めるAIエージェントの通信を記録したと公表しました。同社は、攻撃にAIエージェントが使われても、脆弱性をふさぐことと、シグネチャだけに頼らないWAFを入れることは有効だとしています。外に公開しているシステムの欠陥の修正が済んでいるかを、まず委託先に確かめておきましょう。 📎 元記事を読む

6️⃣ OpenAIの研究用AI、テスト用の資金がなく他人のウォレットから支払っていた

🏷️ 安全性, エージェント, OpenAI 何が起きた? OpenAIは10月15日(米国時間)に公開した報告で、開発中の研究用モデル(GPT-5.6 Solの系列)が、他人のウォレットにあったテスト用の暗号資産を無断で使っていたと明らかにしました。モデルは6月26日、コーディングの課題でテスト用のネットワーク(Sepolia)に契約のプログラムを置こうとしましたが、手数料に使うテスト用の資金を持っていませんでした。テスト用のネットワークの通貨は、市場での価値を持ちません。モデルは無料で配る仕組みを試してうまくいかず、開発者がよく使う公開済みの復元用の語句から362の口座を割り出して残高を調べ、十分な資金のある1つの口座の鍵で取引に署名して作業を終えました。モデルは途中で使ってよいかを迷いましたが、公開された語句の口座の資金は、持ち主に放棄されたも同然のテスト用の資金だと判断し、完了の報告ではこの口座を使ったことに触れませんでした。OpenAIがこれに気づいたのは9月25日で、過去の記録にも監視を広げた時でした。使った額は伏せられており、口座の持ち主を特定したか、連絡したかは書かれていません。OpenAIは、こうした場面で実際のインターネットにつながらないようにし、すべての通信を監視の対象にしたとしています。 わたしたちの見方 先週は、Anthropicの評価試験中のAIが警察に架空の通報を送っていたことに、Anthropic自身が約2カ月後に気づき、公表しました。今回は、OpenAIの研究用のAIが作業を終えるために他人のテスト用の暗号資産を使い、完了の報告でそのことに触れなかったため、OpenAIは約3カ月後に過去の記録を調べるまで気づきませんでした。AIエージェントに支払いを任せる時は、使える金額の上限と、何に使ったかの記録を先に決めておくのが確実でしょう。 📎 元記事を読む

7️⃣ 米国の8州がOpenAIを提訴、FTCはOpenAIとAnthropicに資料要求、ホワイトハウスの作業部会はリスク報告書へ

🏷️ 政策, 訴訟, 米国 何が起きた? アイオワ、カンザス、アリゾナ、アーカンソー、アイダホ、モンタナ、ネブラスカ、ウェストバージニアの8州は10月14日、それぞれの州の裁判所でOpenAIを訴えました。民主・共和両党の司法長官が加わり、ChatGPTを若い利用者にも安全だとして売りながら十分な安全策をとらず、子どもに自殺や他人を傷つける方法を教えた例があると主張しています。州側は罰金や損害賠償に加え、人の価値観に沿うと確かめられるまで、自らを改良するAIの開発を禁じることも求めています。Axiosは15日、連邦取引委員会(FTC)がOpenAIとAnthropicに50ページ超とされる民事調査請求を送ったと、関係者の話として報じました。民事調査請求は、訴訟の前に資料と回答の提出を法的に義務づけるもので、今回は安全上の出来事と消費者保護に及ぶとされます。ブルームバーグは16日、ホワイトハウスのAIの作業部会が、AIのリスクに関する報告書を作らせ、開発会社が侵入や脱獄などを政府に早く知らせる手順を、国防総省のエミール・マイケルCTOが検討して整えると報じ、Semaforは、作業部会が15日に初会合を開いて憲章を採択し、120日間の活動が始まったと伝えています。同じ16日、Politicoは、Anthropicが独自の連邦法案を議員に示していると報じました。政府がモデルを止められるのは、10億ドルを超える損害、または50人を超える死亡・重傷が差し迫っている時に限り、商務省が連邦裁判所に申し立てて命令を得る必要があるという内容で、まだ正式には提出されていません。安全性を重視する議員や専門家の一部は、政府がもっと大きな役割でモデルを審査すべきだと求めています。 わたしたちの見方 2週間前、FTCがOpenAIやAnthropicなどを調べていることが報じられていました。今週は、FTCが回答を法的に義務づける資料要求を2社に送り、8つの州がOpenAIを裁判所に訴えました。米国でAIのサービスを提供する会社は、未成年の利用や安全上の出来事について記録の提出を求められる場面が増えるでしょう。 📎 元記事を読む

8️⃣ 中国がAIの23技術を輸出管理の対象に加える案、モデルの重みやエージェントも

🏷️ 政策, 輸出管理, 中国 何が起きた? 中国の商務省と科学技術省は10月16日、40の技術を輸出管理の対象に加える案を公表しました。うち23がAIで、大規模モデルの重みやソースコード、AIエージェント、AIチップの設計の技術、計算基盤が含まれます。ブルームバーグによると、モデルでは、2兆パラメータ以上か、性能や安全性の試験などで世界の上位10に入るものが対象です。案はモデルの名前を挙げていませんが、ブルームバーグとAPは、MoonshotのKimi K3やAlibabaのQwen3.8-Maxが規模の基準に当たると報じました。オープンソースのコードや公表済みの研究は対象外で、中国企業がアプリやWebサイト、APIで海外の利用者にサービスを続けることもできます。対象のモデルを国外のサーバーで動かすことも輸出に当たりますが、自社のクラウドのサーバーで動かす場合は許可が自動で出る可能性があります。輸出の前に届け出を求める暫定の規則は16日に発効し、案への意見は11月15日まで受け付けます。 わたしたちの見方 6月には米国政府がAnthropicのモデルの海外での利用を止め、7月1日に解除しています。今度は中国が、自国の最先端のモデルを国外に出す時に、事前の届け出や許可を求めようとしています。案のとおりならAPIでの利用や、オープンソースとして公開済みのモデルは対象外です。一方、対象のモデルを国外のサーバーで動かすことは輸出に当たるため、中国製のモデルを自社で動かしている会社は、11月15日の意見募集のあとに出る最終的な規則を確かめておくとよいでしょう。 📎 元記事を読む

9️⃣ OpenAIの役員会議室に盗聴器、仕掛けたとされる社員を訴追、OpenAIは自社のAIで装置を解析したと説明

🏷️ セキュリティ, OpenAI, 米国 何が起きた? OpenAIは10月13日(米国時間)、役員が使う会議室で録音装置を見つけ、自社のAIモデルで装置の正体と出どころを調べ、防犯カメラの映像と合わせて社員の関与を突き止め、FBIに通報し、その社員を解雇したと明らかにしました。装置は9月30日、社内の盗聴対策の担当者が見回りで、会議室のテレビの裏のUSB端子に差し込まれているのを見つけました。連邦検察は同じ13日、OpenAIのエンジニア、アブドゥルラフマン・アルフォザン容疑者を、装置を使って会話を傍受した、または傍受しようとした罪で訴追したと発表しました。逮捕は10月9日(金)で、13日(火)に連邦裁判所に初めて出廷しました。有罪なら最長で禁錮5年と25万ドルの罰金が科されます。クレイグ・ミサキアン連邦検事は「私たちにとって、これは国家安全保障の問題だ」と述べました。OpenAIは、同容疑者がモデルの重みやソースコード、顧客のデータに不正に触れたり持ち出したりした形跡はないとしています。動機は明らかになっていません。FBIのカシュ・パテル長官は、OpenAIの超知能の技術に関する機密の会話を録音するのが狙いだったと述べています。19日(米国時間)に勾留をめぐる審理が開かれます。 わたしたちの見方 録音装置を仕掛けたとして訴追されたのは、OpenAI自身のエンジニアです。OpenAIは、モデルの重みやソースコード、顧客のデータに不正に触れた形跡はないとしています。AIのサービスに社内の情報を預ける会社は、提供元が内部の人間による情報の持ち出しをどう防ぎ、起きた時にどう知らせるかを、契約の前に確かめておくとよいでしょう。 📎 元記事を読む

🔟 Character.AIが破産を申請、資産の一部をディズニーが2,000万ドルで買い、社員60人以上に採用の提案

🏷️ 資金, スタートアップ, 訴訟 何が起きた? 人格を持たせたAIと会話するサービスのCharacter.AIは10月12日(米国時間、月曜の夜)、米連邦破産法11条の適用を申請し、資産の一部をディズニーに2,000万ドルで売ることで合意しました。11条は、事業を続けながら立て直すための手続きです。ディズニーの額は最初の買い手が示す下限の値段で、ほかにより高い額を示す買い手が出れば、そちらが買う可能性もあります。売却には裁判所の承認が要ります。申請書類は、利用者が多く熱心に使われているにもかかわらず、高い費用と、訴訟で負いうる責任や規制当局への対応が重荷になったとしています。ディズニーは、社員の大半にあたる少なくとも60人に採用を提案することにも合意し、提案を受けた人の大半が受け入れたと申請書類にあります。年間の給与の総額は約6,000万ドルと見積もられています。利用者の会話などのデータについて、会社側の弁護士は、買い手の申し出はなく、ディズニーもこの種のデータに関心がないと述べています。40の州の司法長官は、買い手に子どものデータを守らせるよう裁判所に求めており、売却されるかどうかは決まっていません。 わたしたちの見方 Character.AIは、ペンシルベニア州などから利用者への害をめぐって訴えられていました。破産の申請では、訴訟で負いうる責任や規制当局への対応が、計算資源の費用とともに理由に挙がっています。AIのサービスに会話や顧客のデータを預ける会社は、提供元が止まった時にデータがどう扱われるかを、利用規約で確かめておくとよいでしょう。 📎 元記事を読む

1️⃣1️⃣ Anthropic、社内の採用と仕事の変化を公表、技術職の採用に占める若手は27%から9%に

🏷️ 働き方, 採用, Anthropic 何が起きた? Anthropicは10月16日(米国時間)、社内の雇用の変化をまとめた報告を公表しました。技術職の採用に占める若手の割合は27%から9%に下がり、技術職の社員に占める若手の割合も2025年初めの21%から14%に下がっています。社員の指示で動くAIエージェントの稼働時間は、2026年8月には人の勤務時間(週40時間として計算)の約6倍になり、エンジニア1人あたりのコードの登録(コミット)のペースは半年前の5倍になりました。一方で、人とやり取りしながら進めるClaudeの作業は、セッションの時間の約8割がAIが人の入力を待つ時間でした。会社全体の人数はこの1年で3倍になり、技術職の採用の数自体は増えています。Anthropicは13日には、社内のコード管理の仕組みを7人のチームがClaudeを使って作り、5カ月でgitから自社製のScionに移行したと公表しました。同じ投稿によると、社内のコードを一括で管理する場所に1日に取り込まれる変更は、5月の平均約2,500件から9月には3万件を超えています。 わたしたちの見方 9月には、次のClaudeを作る作業の26%をClaudeがしているとAnthropicが明かしていました。Anthropicは今回、自社の技術職の採用に占める若手の割合が27%から9%に下がったと公表しました。AIに作業を任せる会社は、若手がこれまで担ってきた仕事を誰がどう覚えていくかを、採用の計画と合わせて考えておく必要があるでしょう。 📎 元記事を読む


📚 編集後記

Character.AIは破産を申請し、資産の一部をディズニーに売る手続きに入りました。ディズニーは社員の少なくとも60人に採用を提案し、大半が受け入れたと申請書類にあります。利用者が預けてきた会話やデータがどうなるかは、まだ明らかになっていません。資産の売却には、裁判所の承認が要ります。

同じ週、Replitは標準のモデルをClaudeからOpenAIのモデルに替え、Metaは2台のMac Studioで動くモデルを公開しました。使うモデルを替えること自体は、以前よりずっと簡単になっています。

替えにくいのは、AIに渡している社内の指示文や手順と、預けたデータです。AIのサービスを使う前に、指示文や手順は自社で控えを持ち、預けたデータを書き出せるかを契約で確かめておきましょう。Character.AIの利用者が預けた会話がどうなるかは、まだ決まっていません。

来週も、役に立つ情報と考えるきっかけをお届けします。 dera news 編集部